杉ゲリラの決行
 頃は、北国秋田の初春。4月4日(土)の昼下り。所は雄物川の岸辺。秋田空港を降りてすぐ車でトンネルを二つくぐるとそこは、大きな川である。その雄大な雄物川の風景を隠してしまうのが、手入れされていない杉林。 その杉林の間伐と枝打ちをしようと、杉ゲリラ戦士6人が集まった。

杉ゲリラ戦士:岸部章一・三浦義明・坂本賢二・池田実・佐々木啓助・佐々木三知夫
撮影・レポート:高杉静子結果:間伐5本。枝打ち約50本。
損害:ドイツ製枝払機が破損、負傷者、戦死者ゼロ。

          

 秋田には佐々木三知夫という変な人物がいる(佐々木さんごめんなさい)。
 その変な人のお仲間と私は昨日は一日中、雄物川でスギ花粉を浴びていた。 
 秋田空港に着くとバスなり、乗用車なりで秋田市内に入るわけだが、空港を出てしばらくすると雄物川に突き当たる。その時一番はじめに目にするのは、「秋田の3大美(美人、美酒、美林)」のはずの秋田杉の林の荒れ放題の姿だ。
 そのために美しい雄物川だって見られない。スギは下枝を払ってやらないと、見た目が悪いだけでなく、日光が根元に当たらないために成長も悪い。これをこのままにしておいたのでは、「秋田の美林」の名が泣く。 
 そう考えた佐々木氏は友人に声をかけて、今日の杉ゲリラ決行となった。40,50代のおじさんたちが手に手にカマやナタ、高枝切りの鋸、チェーンソーをもっての参集だ。
 高いところの枝を切る作業は汗を流しながらの大変な作業となったが、絡まるツタのためダメになった杉の木を根元から切り倒すときは、「おいおい、これを切ってもいいんだべかあ、器物破損じゃあねえべなあ」と、少年のようにはしゃぐおじさんたちであった。 
 午後、日も傾きはじめた川面に冷たい風が吹き始める頃、4時間ほどの作業は終わった面々は、何事もなかったように爽やかに解散した。
 あとにはすっきりした杉の小さな林が残った。
(高杉静子さん・HP秋田ニュース、www.hana.or.jp//neko/heba/shizuko/diary.html ひこうき雲という名のダイアリーより)