ミロのヴィーナスの背中
パリ・ルーブル美術館。凱旋門から枯葉舞うシャンゼリデ通りが終わった所に見える。’93年秋。
凱旋門の屋上から降りて、歩いていった。私の一番の目的はミロのビーナスをみること。
ギリシャやイタリヤの博物館で見た、乾いた石の西洋文明にへきへきしていたが。
三角ガラスの入り口から、階段を降りて広いロビーのカウンターから案内図を貰う。
ミロのビーナスの展示場所はよくわからない。ともかく長い回廊を周っていく。
と、遠くに白亜の像が見えた。だんだん近づいていく。ビデオカメラのレンズからしだいにその像が大きくなってきた。
ビデオをまわすのを止めた。この目にミロのビーナスが間近に見えてくる。感動で胸が熱くなってきた。
近ずく。止まって見上げる。これがミロのビーナスだ。台座に立って5メーターはあろうか。
こんなに大きな像だとは思ってもみなかった。
まわりでみている観客は、ピカピカとフラッシュをたいている。日本のオバタリアンではない。撮影禁止のはずだが、フランスのオバサンもみんなで撮ればこわくない。
日本人のこっちもポケットからバカチョンカメラを取り出す。真っ正面から、真横から、形のいい乳房の角度も写す。
後ろに回って背中も写そうとカメラを構える。何とビーナスの背中はたくましいことよ。
でこぼこもあるのであった。
カチャ。カチャ。
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